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小腸、大腸を含めた腸管の運動異常などによる機能的疾患で、便秘、下痢、両者の交代などの便通異常が持続し、種々の腹部症状を訴える疾患です。ただし、種々の器質的疾患を除外することで診断がなされます。 分類: 1)痙攣性便秘型 2)持続性下痢型 3)便秘・下痢交代型 精神的なストレスや自律神経系の失調に基づく腸管機能異常による疾患であり、ストレスへの対応を指導し、運動、栄養、休息など総合的な指導を行います。薬物療法としては、腸管運動調節剤、自律神経調節剤、漢方薬など症状に応じて用います。
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の壁の一部がえぐれて傷が出来る病気といえます。その傷の深さも、粘膜だけが欠損し浅い傷をつくったものから、胃と十二指腸の壁を貫いてしまう深い穿孔性のものまであります。胃潰瘍と十二指腸潰瘍はともに消化性潰瘍と呼ばれ、「酸なきところに潰瘍なし」という言葉があるように、胃液(塩酸・ペプシン)の潰瘍発生における意義は大きいと言えます。すなわち、潰瘍の発生は胃液の塩酸とペプシンという攻撃因子と粘膜抵抗という防御因子の両者の兼ね合いで説明され、胃や十二指腸の粘膜抵抗が弱まり、防御力が低下すると言う条件が存在し、その上に強い消化力のある胃液が作用して潰瘍が発生します。また、最近ではヘリコバクター・ピロリという胃壁にいる細菌が潰瘍の発生や再発に関連していることがわかってきました。胃十二指腸潰瘍の最も代表的な症状は腹痛であり、特に十二指腸潰瘍では空腹時の腹痛、とりわけ夜間の腹痛が多く、食事を取ると腹痛が治まることがあります。腹痛の部位は、「みぞおち」に多く、時に痛みが背中や胸の方にひろがることがあります。
従来から逆流性食道炎は欧米では高頻度に見られていたが、近年わが国でも増加傾向にある疾患です。以前は高齢者の食道裂孔ヘルニアに伴う食道炎が主体で、時に食道狭窄を伴い嚥下障害を来たす症例も存在していました。胸やけが主要な症状で、その診断は内視鏡検査が有用であり、食道下部、特に食道胃接合部に発赤、びらん、潰瘍などが見られます。近年、炎症所見の乏しいものも含めて胃食道逆流症(GERD)と呼ばれています。合併症として、咳や喘息などのほかに、誤嚥による気管支攣縮や嚥下性肺炎など呼吸器疾患が見られることがあります。治療はプロトンポンプ阻害剤(オメプラール、タケプロン、パリエット)が開発され、飛躍的に治療成績が向上しました。その他、H2受容体拮抗剤(ガスター、ザンタック、アシノンなど)も使用されています。日常生活上では就寝時は頭高位にするとよく、食事は脂肪食にて症状増悪する方が多いので、脂肪を制限することが必要でしょう。
慢性膵炎は上腹部の繰り返す痛みが特徴です、しかし、痛みの部位や性質に特徴的なことはなく、胃カメラや腹部超音波検査などの一般的な検査では診断がつかず、原因不明の腹痛としてかたずけられていることがあります。また、逆に原因がわからないので慢性膵炎と云われていることもあります。原因のわからない腹痛や慢性膵炎といわれていても症状が頑固に続いているような場合には、一度精密検査をおすすめします、 慢性膵炎の主要な誘因はアルコールの多飲で、慢性膵炎の3分の2を占めます。慢性膵炎の主症状はアルコールの多飲、脂肪の多い食事、暴食などで繰り返す上腹部痛が特徴ですが、膵臓の働きが荒廃した末期になると、腹痛は軽くなり、糖尿病や消化不良によるやせなどが現れてきます。診断は難しく、膵臓の形を見る検査と働きを見る検査を組み合わせて総合的判断していきます。治療は食生活の摂生が大切です。激しい痛みの伴った急性増悪期には入院が必要になることもあります。
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